インフルエンザの季節に笑うことの意味を考える

  11月も中旬になり、平成22年も残すところ1ケ月余になりました。「光陰矢のごとし」とはよく言ったものです。この時期になると、必ず毎年のようにインフルエンザの流行が話題になります。つい先日も、ある老人施設でインフルエンザによる集団感染が発生し、不幸にして悲しいことに命を落とした老人がいました。インフルエンザはウイルスであり、遺伝子が変化して感染力が変異して強くなっていくことが現在一番怖いことになっています。

  昨年は、このような変異を起こした新型インフルエンザが流行し、毎日のように報道されていました。そこで、新型インフルエンザのワクチン接種が行われたことは記憶に新しいことです。さて、今から200年以上も前に、イギリスの医師であったジェンナーは牛の天然痘である牛痘に感染したことがあれば、天然痘にならないことを発見し、牛痘ウイルスを含む膿を接種して天然痘の予防に成功していました。これがワクチンの始まりであり、予め病原体を弱毒化した菌や殺菌した死菌をワクチンとして接種しておけば、それに対して抗体が産生されてくるので、本物の病原体が侵入しても抗原抗体反応で撃退できたわけです。この原理をもとに、新型インフルエンザウイルスのワクチンが作られて、それを予防のために使用されているのです。

 

  さて、一般的に、ウイルスに対抗できる人間の免疫システムは、ウイルスを撃退できる抗体とウイルスに感染した細胞をまるごと攻撃して傷害を与えるキラーTリンパ球に依存しています。したがって、こうした兵隊さんをいつも元気にしていおくことが、感染症を予防する上でポイントになります。そして、特にインフルエンザウイルスは口や鼻から侵入し呼吸系を侵すので、抗体が含まれる唾液や鼻汁が正常に分泌されることが重要になります。その理由は、もし口からウイルスが侵入した場合、唾液の中にウイルスを認識する分泌型IgAという抗体がきちんと含まれていれば、そこで外敵を撃退できるからです。しかし、現代人の自律神経のバランスは過労や睡眠不足、あるいは不快なストレスによって崩れています。この結果、交感神経が優位に作動して、細胞の分泌力が低下し、例えば、皮膚が乾燥したり、唾液の分泌が少ないドライマウスになってくるのです。

 

  ぼくはこうした状態を簡単な方法で改善して、インフルエンザを予防できるようにしたいと常に願い、研究に励んできました。現在、その予防には、副交感神経を刺激する方法やリンパ球機能を高める免疫学的方法が着目されています。そして、種々の方法で役立つのは、感動力を備えた音楽療法やアロマテラピーで知られている嗅覚刺激療法があります。前者には、ぼくが提唱するモーツアルト音楽療法がありますし、後者の方法としてティトリーやネトル、ユーカリ、ベルガモットなどのハーブを用いる方法があります。聴覚でも嗅覚でも、人間の本能的な脳の部分に直接関与し、健康を底辺で支えていると言っても過言ではありません。

 

  一方、日常生活の中で、ニコニコして笑っていれば、唾液がよく分泌されたりリンパ球の機能が高まって、ウイルス撃退力もつくものです。その理由は、楽しくおもしろく笑った後には一気に自律神経の中でもリラックスを導く副交感神経が作動する結果、神経末端からアセチルコリンが分泌され、それがリンパ球の機能を高めてくれるからです。この時期は、インフルエンザを撃退できる頑強な免疫力を常に備えていたいものです。今日は、年内を元気に健やかに過ごせる方法を考えた1日でした。

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