21世紀の人類と健康フォーラムに参加して

  9月に入り、あちこちでアオマツムシやエンマコオロギが鳴き始めました。本格的な秋の到来で、朝晩はめっきり涼しくなり、ついこの間まで騒々しいほどに競って鳴いていたセミも少なくなり、どこかしらさびしく感じられます。そんな季節の中、長野市にある信州大学工学部校舎で、「21世紀の人類と健康フォーラム」が開催され、僕も講演のために参加してきました。アルプスに囲まれ、緑豊かな自然環境に恵まれている長野県は、全国有数の長寿県であり、この原因は昔ながらの食習慣や美味しい水などにあると言われています。

  さて、このフォーラムは、信州大学と長野市がうまく連携することによって、地域の 食品関連技術者や明日の地域食品加工産業を担う高度な専門技術者を育成するために、開催されていました。加えて、未病対策の一環として、中国からの先生も参加され、「医食同源と治未病」というテーマで意欲的な講演がなされていました。中国も、急速な経済発展で昔の生活様式が急変し、日本と同じように過食や運動不足、あるいは過労などによって、さまざまな生活習慣病が増加しているために、治未病の対策が緊急の課題になっているとのことでした。

 

  僕が講演したセッションは、文部科学省科学振興調整費「地域再生人材創出拠点プログラム」での公開シンポジウムとして行われために、会場は満席の状態で活気に満ちあふれていました。シンポジウムでは、1)ライフスタイルが寿命を決定すること、特にたばこを吸う、ストレスが多い、睡眠不足などのライフスタイルをもつ人はもたない人よりも2倍も早く老化するとのことで、たいへん驚きました。一方、2)生活習慣病の予防に米の機能性成分が役立つことや木酢農法が付加価値の高い米の生産に役立つこと、3)お米の澱粉を糖化した液状のものが胃のピロリ菌を殺菌することなどの発表もあり、こうした内容は日本人の主食であるお米に、素晴らしい生体調節機能となる三次機能が存在していることを示していました。加えて4)毎日3回のお味噌の摂取が放射線防御作用や腫瘍抑制作用を高め、特に180日以上の熟成味噌にはそうした効果が高いことも報告されていました。こうした講演内容は、今後の未病改善を考える上で多くの示唆に富むものでした。僕は、「未病医学における音楽療法」と題してのお話をさせていただきましたが、多くの聴衆の皆様に関心をもっていただき、嬉しいひとときでした。

 

  今回のフォーラムでは、偶然の出会いもあり多々あり、本当に幸せでした。僕が以前いた大学の研究室の隣の部屋にいた教授と大学時代に同級生であったという先生や、僕の旧友と以前同じ研究所の研究室にいたという先生との出会いにはびっくりしました。世間はせまいものであり、こうした偶然の出会いは、必然的に起こっているのではないかと最近は考えるようになっています。もしかしたら、同じ価値観や方向性をもつ人同士は結局のところ年齢を重ねるにつれて集まってくるのかもしれません。

 

   今日は、今回のようなフォーラムが今後も継続して行われ、健康について深く討論することがきわめて大切であるのではないかと改めて考える1日になりました。

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